ピアス16Gと18Gどっちがいい？痛くないサイズと失敗しない選び方

これから初めてのピアスを開けようと考えている方や、あこがれの軟骨ピアスに挑戦したいと思っている方にとって、まず最初にぶつかる壁が

「ピアス16gや18gのどっちを選べばいいの？」

という疑問ですよね。

耳たぶや軟骨といった部位によって適切なサイズは異なるのか、痛くないのはどっちなのか、そして種類が豊富でかわいいデザインが多いのはどちらなのか。

さらにはメンズにおすすめのサイズ感など、気になるポイントは山積みだと思います。

私自身、最初は何も考えずに雑貨屋さんで買った細いピアスを使っていたのですが、軟骨に開けた途端にトラブル続きで泣きたくなった経験があります。

逆に、サイズ選びさえ間違えなければ、ピアスホールは驚くほどスムーズに安定してくれるものなんです。

この記事では、そんな皆さんの不安や迷いを解消するために、私自身の経験と徹底的なリサーチをもとに情報をまとめてみました。

ピアスは16gと18gどっちがいい？選び方を解説

たかが0.2mm、されど0.2mmと言われるのがピアスの世界です。まずは16Gと18Gの基本的な違いや、それぞれのサイズが持つ特徴について詳しく見ていきましょう。

これを理解するだけで、自分にぴったりのサイズが見えてくるはずですよ。

16Gと18Gの太さやmmの違い

まず最初に、ゲージ（G）という単位について簡単におさらいしておきましょう。

ピアスの太さは「ゲージ（Gauge）」で表されますが、この単位はアメリカのワイヤー規格に由来しており、数字が大きくなるほど太さは細くなるという、直感とは逆のちょっとややこしい特徴があります。

一般的に、18Gは約1.0mm、16Gは約1.2mmの太さを指します。数値上での差はわずか0.2mmですが、これを断面積で考えると、実は約1.4倍もの違いがあります。

実際に手に持ってみると、そのしっかり感の違いは一目瞭然です。

ゲージ	太さmm	身近な例え・イメージ	主な用途・特徴
18G	約 1.0mm	一般的なクリップの針金、厚紙コースター	ファッションピアス、耳たぶ用ピアッサー （細くて華奢だが、強度は低め）
16G	約 1.2mm	1円玉の厚みより少し薄い、Eフルート段ボール	ボディピアス標準、軟骨ピアス、クリニック （しっかりした安定感があり、軸が曲がりにくい）

なぜ0.2mmの差が重要なのか？

この0.2mmの差は、ピアスホールの安定性に大きく影響します。18Gは、雑貨屋さんなどでよく見かける細い軸のファッションピアスよりは少ししっかりしていますが、それでも指で強い力を加えると曲がってしまう程度の細さです。

一方、16Gはボディピアスの世界では「標準サイズ」として扱われており、指で曲げようとしても簡単には曲がらない剛性があります。

ホールが完成していない時期に、ピアスの軸（シャフト）が曲がっていたり、細すぎてホールの中で動いてしまったりすると、傷口がいつまで経っても塞がらない原因になります。

そのため、初期の安定性を求めるなら、ある程度の太さと強度がある16Gの方が有利に働くことが多いのです。

痛くないのはどっち？痛みの真実

「太い針を刺す方が痛いに決まってる！」

「16Gなんて太い針、絶対無理！」

と思いますよね。私も最初はそう思って震えていました。18Gの方が細いから、痛みも少ないはずだと信じ込んでいたんです。

でも、実は「細いから痛くない」とは限らないというのが、ピアッシングの非常に奥深く、そして誤解されやすい真実なんです。

痛みを決めるのは「太さ」よりも「切れ味」

医学的な視点や多くの経験者の声を聞くと、1.0mm（18G）と1.2mm（16G）という0.2mm程度の太さの差であれば、皮膚にある「痛点」にヒットする確率はほとんど変わらないと言われています。

それよりも痛みを左右する最大の要因は、「ニードル（針）の切れ味」と「組織への負担のかけ方」にあります。

「太い＝痛い」は思い込みかも？

実際に、クリニックやピアススタジオで16Gのニードルを使って開けた人の中には、

「自分で18Gのピアッサーで開けた時よりも全然痛くなかった！」

と感想を漏らす人が後を絶ちません。これは、太さのデメリットを、切れ味のメリットが遥かに上回っている証拠とも言えます。

耳たぶは用途で決めるのが正解

耳たぶに関しては、血流が豊富で皮膚も柔らかいため、他の部位に比べて治癒が早くトラブルも起きにくい場所です。

正直なところ、16Gと18G、どっちを選んでも正解と言えます。重要なのは、あなたが今後どのようなピアスライフを送りたいかという目的意識です。

18Gを選ぶべき人：ファッション性重視

もしあなたが、雑貨屋さんやアクセサリーショップで売っている、安くてトレンド感のあるピアスを日替わりで楽しみたい！と考えているなら、18G（またはそれ以下の20G）が適しています。

市販のファッションピアスの多くは軸が細く作られているため、18Gで開けておけばほとんどの商品をそのまま装着できます。

また、セルフで手軽にピアッサーを使って開けたい場合も、ドラッグストアなどで手に入る耳たぶ用ピアッサーの多くは18G規格（一部16Gもあり）なので、選択肢が豊富です。

16Gを選ぶべき人：機能性と将来性重視

一方で、以下のような希望がある場合は、迷わず16Gを選んでおくのがベターです。

• つけっぱなしにして楽をしたい：
  16Gのボディピアスはネジ式でキャッチが外れにくく、入浴時や就寝時もつけっぱなしにできる設計のものが多いです。
• 金属アレルギーが心配：
  18Gの安価なファッションピアスは真鍮や合金製が多いのに対し、16Gのボディピアス製品は「サージカルステンレス316L」や「チタン」といった、医療用グレードのアレルギー対応素材が標準です。
• 将来的に軟骨も開けたい：
  軟骨用のピアス（16G）と耳たぶのピアスを共有・使い回しできるようになります。
• 少し変わったデザインや拡張に興味がある：
  将来的にホールを大きくしたい（拡張したい）と思った時、16Gからのスタートだとスムーズです。

逆に18Gの穴に16Gのピアスを入れようとすると、拡張の痛みを伴うため、少し勇気が必要になります。

軟骨ピアスは16G以上が必須な理由

耳のふち、耳の穴の前、耳の内側の平らな部分など、軟骨部分に開ける場合は、耳たぶとは話がまったく変わってきます。

軟骨ピアスに関しては、基本的に16G、あるいはさらに太い14Gを強くおすすめします。ここでの18G以下の選択は、トラブルへの近道になりかねません。

軟骨は「骨」に近いデリケートな組織

軟骨は耳たぶ（柔らかい肉）とは違い、血管が通っていない硬い組織です。栄養が血液で運ばれてこないため、治癒には半年から1年以上という長い期間を要します。

この長期戦となる治癒期間中、ホールをいかに安定させるかが勝負の分かれ目となります。

恐怖の「チーズカッター現象」とは？

ここに細すぎるピアス（18Gや20G）を着けてしまうと、どうなるでしょうか。ホールに対してピアスが細すぎると、隙間ができてグラグラと動きやすくなります。

さらに、寝返りを打ったり服が引っかかったりして強い力が加わった際、細いワイヤーのようなピアスが、まるでチーズを切り裂くワイヤーカッターのように、軟骨組織に食い込んで切り裂いてしまうことがあるのです。

これを専門用語で「チーズカッター現象」と呼びます。想像するだけで痛いですが、実際にこれが原因で肉芽（にくげ）ができたり、ホールが変形してしまったりするケースが後を絶ちません。

太さが「添え木」の役割を果たす

ある程度の太さ（16G以上、理想は14G）があることで、ピアス自体がしっかりとした「ステント（添え木）」のような役割を果たし、ホールを物理的に支えてくれます。

これにより、外部からの衝撃を受けてもピアスが組織に食い込みにくく、結果としてトラブルを回避できるのです。

海外のプロフェッショナルなピアッサーの多くは、軟骨にはさらに安定しやすい14Gを推奨しますが、日本の市場やデザインの豊富さを考慮すると、最低でも16Gを選んでおくのが、綺麗にホールを完成させるための鉄則と言えるでしょう。

ファーストピアスにおすすめのサイズ

初めて開ける「ファーストピアス」は、ホールが完成するまでの数週間から数ヶ月間、片時も外さずにずっと着け続ける大切なパートナーです。

この期間にトラブルが起きるかどうかが、その後のピアスライフを左右すると言っても過言ではありません。

個人的な結論としては、たとえ耳たぶであっても「16G」をファーストピアスに選ぶのが最も賢い選択だと考えています。

なぜファーストピアスは16Gがいいの？

1. 安定性が段違い：
   前述の通り、適度な太さがホールを支え、綺麗な円形の穴を形成してくれます。
2. トラブル時の対応力：
   万が一腫れてしまったり膿んでしまったりした時、18G等の細いピアスだと埋没（皮膚に埋まってしまうこと）のリスクが高まりますが、16Gならある程度の強度と存在感があるため、埋没しにくい傾向があります。
3. 高品質な素材へのアクセス：
   ボディピアス専門店で販売されている16Gのファーストピアス（ストレートバーベル等）は、医療現場でも使われるレベルの素材で作られていることが多く、アレルギー発症のリスクを初期段階で下げることができます。

どうしても痛みが怖いから、一瞬で終わる18Gのピアッサーがいい、という気持ちも痛いほど分かります。

ですが、開けた後の数ヶ月間の安心感と、将来的なファッションの自由度を天秤にかけると、やはり16Gのメリットは圧倒的です。

部位別ピアス16gと18gどっちが正解か

ここからは、基礎知識を踏まえた上で、さらに踏み込んでファッション性や実際の運用、トラブル対応といった視点から「どっちがいいのか」を深掘りしていきましょう。

デザインの好みや、起きてしまったトラブルへの対処法を事前に知っておくことで、より自信を持ってピアスを楽しむことができますよ。

種類が豊富でかわいいのはどっち？

昔からピアス好きの間では、かわいいデザインなら18G、いかつい・ハードなデザインなら16Gというイメージが定着していました。

しかし、ここ数年でその常識は完全に覆されています。

現在は、ボディピアス市場が急速に進化しており、16G規格でめちゃくちゃかわいいデザインが大量に販売されるようになりました。

楽天やAmazon、専門店のオンラインショップを覗いてみてください。

これら全てが、今は16Gのボディピアスとして手に入ります。「ボディピアス＝ゴツい」というのは完全に過去の話なんです。

16Gボディピアスの隠れたメリット

さらに、16Gのボディピアスには、デザイン性以外にも18Gのファッションピアスにはない大きなメリットがあります。

1. キャッチが外れない：
   ファッションピアスは「差し込み式」のキャッチが多く、気づいたら落としていた…という悲劇がつきものですが、ボディピアスは「ネジ式」なので、しっかりと締めておけば勝手に外れることはまずありません。
2. 耳の裏が痛くない：
   「ラブレットスタッド」という種類のボディピアスなら、耳の裏側に来る部分が平ら（フラット）になっています。そのため、寝転がってもイヤホンをしても耳に刺さらず、非常に快適に過ごせます。

つまり、かわいくて、肌に優しくて、無くしにくくて、痛くない、という最強のアクセサリーが16Gのボディピアスなんです。

これを知ってしまうと、デザイン重視の方でもあえて18Gを選ぶ理由は少なくなってきているのが現状ですね。

メンズピアスで人気のサイズと傾向

男性がピアスを開ける場合、女性とはまた違った視点でのサイズ選びが求められます。

メンズピアスにおいては、細くて華奢なものよりも、少し太めでしっかりした存在感を好む方が多いため、16G、あるいはさらに太い14Gが主流のトレンドとなっています。

男性に16G以上が選ばれる理由

男性のファッションにおいて、ピアスは「力強さ」や「無骨さ」を演出するアクセントになることが多いです。

例えば、シンプルなブラックチタンのフープ（リング）ピアスや、円錐形のパーツがついたスパイクピアスなどを想像してみてください。

これらが18Gや20Gのような細い線で作られていると、どうしても線が細すぎて、中性的あるいは少しフェミニンな印象になりがちです。

一方で、16G以上の太さがあると、金属の質感がはっきりと出て、男性の耳元にあっても負けない存在感を放ちます。

ブランドアクセサリーの注意点

ただし、一つ注意点があります。クロムハーツやジャスティンデイビスといった、有名なシルバーアクセサリーブランドのピアスを着けたいと考えている場合です。

これらのブランドのピアスは、デザイン部分は大きくても、耳に通すポスト（軸）部分は18Gや20G相当で作られていることが一般的です（日本人向けに細く作られている場合が多いです）。

逆に、ノーブランドでもいいからシンプルなステンレスピアスをつけっぱなしにしたいなら、16Gを選んでおくのがメンテナンスも楽でおすすめです。

18Gから16Gへの拡張と対処法

「最初は怖くて18Gで開けたけど、やっぱり16Gのかわいいボディピアスが着けたい！」

「ネットで買ったピアスが16Gだった…」

というケースは本当によくあります。でも安心してください。18Gから16Gへのサイズアップ（拡張）は、ピアス愛好家の間では「日常茶飯事」と言えるほど、比較的ハードルの低い行為です。

0.2mmの壁を超えるステップ

たった0.2mmの差なので、ホールが完全に完成して安定している状態であれば、特別な道具を使わなくても入ってしまうことが多々あります。

以下の手順を参考にしてみてください。

入らない時の救世主「拡張器」

もしどうしても入らない、痛みが強いという場合は、無理に押し込むのはNGです。ホール内部を傷つけて出血する原因になります。そんな時は「拡張器（テーパー）」という専用の補助ツールを使いましょう。

拡張器は、先端が細く、根元に向かって徐々に太くなる円錐状の棒です。これを使うことで、ホールを徐々に押し広げながら、スムーズに16Gのピアスを接続することができます。

通販サイトなどで数百円から手に入るので、1つ持っておくと便利ですよ。

安定しない時の対処とホールの維持

「せっかく16Gで開けたのに、ファッションピアス（18G）ばかり着けていたら穴が小さくなってしまった…」

というトラブルも非常によく聞きます。これをホールの収縮と呼びます。

人間の体には自然治癒力があるため、穴に対して細いピアスを入れていると、「あ、隙間があるから埋めなきゃ！」と体が判断して、組織を再生させて隙間を埋めてしまうんです。

その結果、16Gのホールはあっという間に18Gサイズに縮んでしまいます。

ホールを16Gのままキープする裏技

お気に入りの18Gピアスを楽しみつつ、16Gのホールサイズを維持するためには、ちょっとした管理が必要です。

特に軟骨などは、一度縮んでしまうと再拡張する際に硬い組織を無理やり広げることになり、かなりの痛みを伴うことがあります。

寝る時は必ず16Gに戻すという習慣をつけるだけで、ホールの縮小トラブルは劇的に減らせますよ。

結論：ピアス16gと18gどっちを選ぶ？

ここまで、太さの違い、痛みのメカニズム、部位別の適性、そしてメンテナンスまで詳しく解説してきました。

情報が多くて迷ってしまった方もいるかもしれませんね。最後に、私の結論をズバリお伝えします。これからピアスを開けるなら、基本的には16Gを選んでおくのが一番おすすめです。

16Gが最強の選択肢である理由まとめ

• 安定性：耳たぶも軟骨も、ある程度の太さがある方がトラブルが少なく綺麗に治る。
• 互換性：16Gの穴があれば、16Gのボディピアスも、18Gのファッションピアスも、両方そのまま楽しめる。
• デザイン：現在は16Gでも華奢でかわいいデザインが無限にある。
• 機能性：つけっぱなしOK、外れにくい、アレルギー対応など、QOL（生活の質）が上がる機能が満載。

もちろん、市販の細いピアスだけを楽しみたいという明確な目的があるなら18Gでも全く問題ありません。ですが、「どっちにしようかな…」と迷っているということは、将来いろんな可能性を残しておきたいという気持ちの表れだと思います。

それなら、選択肢が圧倒的に広がる16Gを選んでおけば、後から「ああ、太くしておけばよかった！」と後悔することはまずありません。

ぜひ、ご自分のライフスタイルや痛みの許容範囲に合わせて最適なサイズを選び、安全で最高におしゃれなピアスライフをスタートさせてくださいね！